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総論

ここでは、報告書II「基本的な戦略」について、執筆者の村上敬亮情報政策課長補佐、森川毅情報経済課係長が解説します。ここでは、基本的に報告書第II部で論じている、戦略Iとしての、新しいイノベーションを核とした収益モデル構築への戦略、そして戦略IIとして、従来から強みを発揮してきた部分をどう伸ばしていくかについて、議論を進めていきます。

2005年01月16日 現在の状況とBlogという対話形式についての考え方

年末以来、エントリをさぼってしまい申し訳ございません。
情報家電に関するレポートをベースにしたエントリは、年末を持って一度うち切っており、現在、内部的にその評価ととりまとめ作業を行っているところです。このため、政策論に関するエントリーは、今しばらくお待ちいただければ幸いです。ブログ内外を通じていただいたコメントと、それらに対する官庁の側からのコメントのまとめを作成し、省内の手続きが許せば、今度は、そのまとめを基に、このブログを今しばらく継続できればと考えています。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

今日は、政策論ではなく、官庁発のブログを3か月間試みた間の反省を、特に「ブログという対話形式」ということに絞って、簡単にまとめてみたいと思います。

ブログに直接書き込んでいただいたご意見、ネット以外を通じて伺ったご意見、TBやコメントにはされていないもののネット上で披露いただいているコメントなどを総括すると、全体的には次のような感じではないかと思っています。

「Blogという形で常時コミュニケーションがとれるメディアを官庁が試みたこと自体については、大変高く評価できるし、今後も継続すべきである。ただし、この3か月間の具体的内容については、官庁側からの発信が少ない、若しくは、Blogに馴染みにくい内容の発信が多かったために、Blogという形式を選択した意味が乏しかったと思える。」

これに関し、自分の基本的な反省点を整理してみたいと思います。

○ ブログが7つも分散して開設され読みにくかった上に、事実上、更新があるサイトは2~3に絞られていた。であれば、最初から開設するブログは一つに絞るべきであった。
○ ネタとして最初に取り上げたレポートが長く、また、難解であった。そのため、Blogの対話に参入しようにも気軽には参加できなかった。また、毎回のエントリの内容も、難解かつ、前回までの内容を踏まえたモノが多く、結局全てを読まねばならないような内容であったため、回を進める毎に、更に参入が難しくなってしまった。
○ 月間2~3万アクセス頂戴をした数字を見ても、電子掲示板としては、それなりに役に立っていたが、上記のような内容の問題に加えて、見ていただいている皆さん方にも、官庁のHPにトラックバックやコメントを行うこと自体、「ある種公的な発言になってしまう」「返答の義務が発生する」などの懸念から、行いにくい側面があった(実際、TBしていただいて差し支えないような内容のエントリを他のBlogでたくさん拝見したのですが、正式なTBは頂戴していないので、ここでのご紹介は差し控えさせていただきます。)

これを簡潔にまとめると、

    「もっと気軽に、短く、コメントしやすいような内容のものに工夫すべきであった」

ということに尽きるのかな、と思います。
これらの反省点についてどう考えるべきか、村上の印象を素直に申し上げます。

○ 第一に、官庁として公式に開設しているBlogである以上、完全な私見は、それが政策論を説明する上で必要不可欠である場合をのぞき、原則として掲載すべきではないと、今でも思っています。もちろん、討議のための場ですから、一つ一つのコメントを全て役所としての正式見解としてまとめる手続きを踏むことは、今回のBlogでもしてません。しかし、省内に向けた議論でも一定の責任の持てる範囲内で書くとなると、それなりに熟慮・整理の時間も必要となり、なかなか毎日更新するだけの時間がとれなかったというのが正直なところでした。もちろん、自分の能力的な問題も大きいのですが。

○ 第二に、皆さんにコメントしていただきやすい、Blogらしいもの、特に、Web上の日記的な性格ということを考えると、むしろ、エントリは、その日その日に行政に携わりながら感じたこと、思ったことを手短にまとめて書くべきだったんだろうと思います。
しかし、官庁の業務として行っているBlogですので(といっても業務時間内にに書いたエントリは全くありませんでしたが・・(苦笑))、上記のとおり、省内の議論に対して責任を持てないような個人の意見表明はすべきではないと思っています。では、僕がPrivateなBlogに場を移してならやっても良いのかというと、結局人格は一つですので、なかなか、そうするわけにもいきません。そういう意味では、Blogという日々の思いを交換しあうことをベースに成り立っている文化は、今の時点では、なかなか官庁がみなさんのご意見を聞かせていただく双方向の場として根付きにくいのかな、と思いました。

○ 第三に、しかし、「トラックバックやコメントの機能を有した電子掲示板」と考えれば、前述の問題は大きな障害にはなりません。ブロガーの方には、ご批判も多いと思いますが、MovableTypeは、大変使いやすかったと、改めて実感しております(苦笑)。
加えて、官庁も、これまで業界との調整や審議会等の場では、リアルタイムに頻繁に意見交換をしているわけですから、それが、ある種の閉鎖性によって保証されていた側面もある(公開されていないからこそ、生産性を考えた大胆な内容の意見交換ができる側面もある)とはいえ、今後の情報公開の流れを考えても、Blogに流す内容をもう少し柔軟に考えても良いのではないか、とも思えます。

経済産業省としての正式な評価は、また追ってご報告したいと思いますが、村上としては、次のように整理して内部に報告してみようと思います。

1.Blogという形式による、常時双方向の対話が可能な場は、ネット上で継続すべきである。

2.その際、エントリの更新頻度の少ないページは閉鎖し、どのページを見れば話の進展が分かるのか、アンテナ機能だけに頼らずに、ページ構成をよく考えるべきである。

3.官庁が業務として行うBlogである以上、職員個人の日々の思い・気づき・発見や出来事を開示すべきではない。このため、ある程度Blogらしさに欠ける面があるのは、仕方がないと割り切るべきである。しかし、ネタにするレポートや、エントリは極力、簡潔かつ分かり易く書けるよう、職員の資質の育成に努めることによって、Blogの文化とそう遠くないモノを書くことは、必ずしも不可能ではない。

いかがでしょうか?コメント等いただければ。

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2005年1月16日掲載