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総論
ここでは、報告書II「基本的な戦略」について、執筆者の村上敬亮情報政策課長補佐、森川毅情報経済課係長が解説します。ここでは、基本的に報告書第II部で論じている、戦略Iとしての、新しいイノベーションを核とした収益モデル構築への戦略、そして戦略IIとして、従来から強みを発揮してきた部分をどう伸ばしていくかについて、議論を進めていきます。
2004年10月09日 ネットは良識人の意味・・
村上です。エントリの追加が遅れています。自分も含めて、まだまだ執筆者の大半がブログ素人です。ブログとしての使い方そのものも、いろいろとアドバイスいただければ幸いです。
冒頭のRIETIインタビューで、「IT業界の場合、ネットの中にはかなり良識的な人もいるはず」と申し上げましたが、一部ご指摘いただいたように、確かに若干不適切な表現でした。以下、その背景について、多少捕捉をさせていただこうと思います。
僕の印象では、大企業や大組織の中には、まだまだ、ネットというと「2ch.」などの負のイメージに勝手にネット全体を重ね合わせてみておられる方も多数います。僕自身は、「2ch.」から貴重な情報をいただくこともありますし(ちなみに、業務中は見ることはありません(苦笑))、例えば、オープンソースについて議論した際には、/.jpを始め、様々なサイトから貴重な前向きなメッセージをいただきました。
正直に申し上げると、どちらかといえば、日々の業務の中で、大企業の幹部の方々を始め組織を背負って仕事をしておられる方々との議論が、ネットの中では普通に話題になり議論されている内容と比べて、あまりにタイムラグが大きく、遅いことに、唖然とすることの方が多いというのが僕の実感です。
日本が、国として抱える一つの深刻な課題が、まさに、この「タイムラグ」に象徴されるのではないでしょうか。大企業が一方的に悪いわけでもありませんが、ネットが良識でないわけでもありません。上質な情報が「国」という体全体を上手く行き渡らない、今風に言うと、何だろう・・・。知識の血流が「どろどろ血液」状態になっているみたいな。その理由は、贅沢病の名残りで「高コレステロール」状態なのか、逆に苦しいあまり「貧血」状態なのか。色々あるかと思いますけど。
ブログは、そうした日本のどろどろ血液状態を回復させる一つの重要な手段になる。僕はそう思います。もちろん、使い方次第だとは思います。堅い言い方ですが、経済学だか行政学だか社会学だか経営学だか、何でも良いんですけど、そういうある意味「表」の世界の教科書にも、当たり前のようにブログという一つの「知識共有」スタイルが言及されるように、官自体がトライしてみるべきだと思います。それが、大企業の人にも業務としてブログを使って欲しいと思う僕の、あのインタビューに込めた思いです。
情報家電とは何の関係もなく、長いエントリですいません。(苦笑
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っと言いながら、更に、ご参考です。ネットの議論が早いなあ・・っと思った例について。
例えば、早速頂戴した言及していただいたコメントの中でも、梅田さんの「英語で読むITトレンド」で言及されていたGoogleのビジネススタイルの議論は、考えさせられました。
「e-Japan時代の情報政策(下):情報家電産業の課題:経済産業省 村上敬亮氏」の1ページ目の下の図を、クリックしてみてください。Amazon、Yahoo!、eBay、楽天といった、創業からそろそろ10年が経過しようとするネット企業・第一世代にとっては、ネット産業を横にレイヤー分けするこの図がしっくりと来るのである。・・・ でもGoogleは違う。ここを縦に切るのである。
この台詞が、役所も含めて何人の大組織の人に、すんなり理解してもらえるのか。このレポートでは、
「確かに、今強いCommodityを守るための「もの作り」という視点は重要だ。でも、それを引っ張るサービスや消費者の視点が戦略に無ければ、その先には行けませんで・・・」
っと、やっと書かせて貰ったのに、
「英語」の世界では、そんなのは「第一世代」の終わった(?失礼・・)議論なんであって、そのサービスの世界を縦に切って入るという議論をしてるんだ・・・。
っと言っておられる。そう言う読み方をすると、この数周回先を行く議論(もちろん、それが「進化」の結果なのかどうかは、議論の余地がありますが)に、日本の現実感が伴ってくるのは、一体いつの日になることやらと、少し寂しい気分になります。頑張らないと。
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2004年10月9日掲載