特定技能外国人雇用の客観的効果と主観的評価

執筆者 橋本 由紀(上席研究員(政策エコノミスト))
発行日/NO. 2026年9月  26-J-035
研究プロジェクト 総合的EBPM研究
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概要

本稿は、特定技能外国人を中心とした外国人雇用について、雇用企業・事業所の特徴と雇用後の変化を分析する。分析の結果、特定技能外国人や技能実習生は、労働分配率が高く、労働生産性や日本人従業員の賃金が相対的に低い企業で雇用される傾向があった。イベントスタディでは、一人当たり賃金はこれらの外国人の雇用後に低下していたが、売上高、労働分配率、労働生産性には、非雇用企業と比べて有意な変化はみられなかった。このような外国人の雇用は、企業内での日本人と外国人の分離よりも、低賃金・労働集約的な企業への集中として特徴づけられる。特定技能外国人を雇用する事業所の主観的評価では、技能実習生から継続して雇用する自社育成グループは人材育成を重視し、満足度も高かった。一方、転職者や試験合格者を雇用するグループでは、人手不足の緩和への評価は高いものの、日本語学習・生活支援の提供や昇給が限定的で、人材の質に対する満足度も相対的に低かった。現在の特定技能制度は受入れルートによる人材の差を想定していないが、本稿の結果は、ルート間の支援・育成の差や、企業内の他の労働者への影響を踏まえた制度設計の重要性を示す。