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2009年度政策研究領域(隣接基礎研究領域)

A. 金融構造、コーポレート・ガバナンスの展開等、企業関連制度

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(2010年4月16日現在)

リスクテイクと成長、安定を両立させる新しい経済制度作りを目指し研究を行う。

1. 金融・産業ネットワーク研究会および物価・賃金ダイナミクス研究会

活動期間:2008年9月22日〜2009年12月7日

プロジェクトリーダー

渡辺 努ファカルティフェロー

サブリーダー

植杉 威一郎コンサルティングフェロー

プロジェクト概要

(1)金融・産業ネットワーク研究会
本研究プロジェクトでは、取引関係をはじめとする企業同士のつながり、リレーションシップという言葉に象徴される企業と金融機関のつながりに焦点を当て、これらの成り立ちや企業パフォーマンスに与える影響を、従来は入手が困難であった企業レベルのデータを活用して分析する。特に、昨年来の急激な経済規模の縮小によりこれらのつながりに生じた変化に注目する。たとえば、企業と金融機関の関係については、信用保証制度をはじめとする政府部門の関与が企業の資金調達やリレーションシップに与える影響、金融機関における意思決定構造の影響、スコアリング融資など近年盛んに用いられた貸出手法がもたらした影響などに焦点を当てる。

(2)物価・賃金ダイナミクス研究会
本研究プロジェクトではミクロ価格情報を活用し物価変動ダイナミクスを解明する。これまでの物価研究は消費者物価などの集計統計を用いるものが主流であった。しかし集計統計を用いた解析には限界がある。本研究では、ミクロレベルでの企業の価格設定行動を仔細に分析し、そこを出発点としてマクロの物価変動ダイナミクスに迫るという新しい接近法を採る。本年度はわが国で過去10年間続いてきたデフレーションの発生メカニズムの解明を中心に分析を行う。

主要成果物

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2. 少子高齢化時代の労働政策へ向けて:日本の労働市場に関する基礎研究

活動期間:2008年9月29日〜2010年9月30日

プロジェクトリーダー

川口 大司ファカルティフェロー

プロジェクト概要

この研究計画は次の6つのテーマから形成される。
1)日本の労働市場の基本的事実の把握
2)雇用の非正規化の要因分析
3)雇用の非正規化が若年のキャリア形成に与える影響とその厚生評価
4)長期雇用制度が企業の生産性に与える影響の理論・実証分析
5)労働市場の流動化が企業の生産性に与える影響の理論・実証分析
6)企業人事データを用いた非正規労働者活用に関する実証分析
まず、近年の日本の労働市場における基本的な事実を大規模政府統計に依拠して明らかにする。そのうえで、特に着目されている雇用の非正規化に焦点を当て、非正規化の進行原因とともに、雇用の非正規化が個人のキャリア形成や厚生に与える影響を分析する。同時に雇用の非正規化がもたらす勤続年数の短期化が企業の生産性に与える影響を評価するとともに、労働市場の流動化による雇用のミスマッチの減少ならびに、生産性向上への影響について理論的かつ実証的な検証を行う。また、人事情報を活用することにより、企業内の非正規従業員の活用ならびに正規社員転換について分析する。

主要成果物

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3. 組織と制度の経済分析:企業パフォーマンス・成長を高めるための組織・制度デザインのあり方

プロジェクトリーダー

鶴 光太郎上席研究員

プロジェクト概要

バブル崩壊以降、15年ほどの調整過程を経て新たなフロンティアへの飛躍を目指す日本経済にとって、潜在成長力、イノベーションを高め、促進させるような仕組み、デザインが必要となっている。その場合、企業のイノベーション、ひいてはパフォーマンスを高めるより本源的な要素として、企業の組織形態、人的資源のあり方、市場のインフラとなる制度から根本的に問い直すことが重要である。本プロジェクトでは、まず、近年活発化している企業買収・合併に着目し、1)その動機・意図は何か、また、2)組織再編が行われた後、当初期待されていた効果が発揮され、企業のパフォーマンスが向上しているか、について十分な検証を行う。また、敵対的買収防衛策のあり方、インプリケーションについても分析を行う。

主要成果物

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4. 小さな政府を前提とした官民連携による効率的な公共サービス供給方策に関する研究

活動期間:〜2009年6月30日

プロジェクトリーダー

山内 直人ファカルティフェロー

プロジェクト概要

少子高齢化と人口減少社会の到来、グローバル化と国際競争の激化といった大きな構造的変化の中で、政府のあり方については、経済の活力を維持し、公的部門の大きさを持続可能な範囲にとどめるために「小さな政府」へ向けた改革を進めていかなければならない。本研究プロジェクトにおいては、PFI、指定管理者制度及び市場化テスト等の官と民の協力関係(官民連携=Public Private Partnership(PPP))について類型整理、財政支出削減効果の定量的な検証、導入のインセンティブに関する分析等を地方公共団体・NPOへのアンケート調査等も実施しながら行う。これにより、我が国における官民連携による効率的な公共サービス供給の実現に向けた政策のあり方に示唆を与える。

主要成果物

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5. 企業統治分析のフロンティア:日本企業システムの進化と世界経済危機のインパクト

活動期間:2009年4月14日〜2010年9月30日

プロジェクトリーダー

宮島 英昭ファカルティフェロー

プロジェクト概要

本プロジェクトの課題は、現代日本企業の抱える緊急かつ先端的な企業統治上の問題を分析する点にある。分析の焦点は、外国人投資家の増加および株式相互持合いの解体の要因と帰結、メインバンクシステムの解体後の状態依存型ガバンナンスの再構築の方向、外部ガバナンスと内部ガバナンスの補完・代替関係の解明、持ち株会社化などの企業の内部組織の変化と各事業単位、子会社のコントロール、金融機関に対する規制、企業統治を構成する各サブシステム間の補完性(Complimentarity)の再検討である。以上の分析を通じて、市場ベースの仕組みと、関係ベースの仕組みという2つのモードが結合したという意味でハイブリッド化した、日本企業の企業統治の実態を包括的に解明する一方、2008年秋以来の世界経済危機が、我が国の企業統治の進化に与えるインパクトを分析する。なお、以上の研究成果は、2010年度秋を目途に出版する予定である。

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6. 社会経済構造の変化と税制改革

活動期間:2008年11月11日〜2010年3月31日

プロジェクトリーダー

岩本 康志ファカルティフェロー

サブリーダー

橋本 恭之ファカルティフェロー

プロジェクト概要

本研究グループでは、わが国の社会経済構造が高齢化、国際化、地球環境や格差の問題に直面し、変化するなか、税体系もこれらの変化に対応した抜本的な改革が必要とされるとの認識のもと、租税理論の成果を取り入れて、中長期的な視点から社会経済構造の変化に対応した税制のあり方を検討している。
本年度は同様の理念のもとに、前年の分析の拡張、および新しい分析課題に取り組む。具体的には、高齢化社会における社会保障と税制の関係、経済の国際化に対応した資本所得課税のあり方、地方分権の進展に対応した地方税のあり方、などの重要な課題で、学術的貢献が期待できるものを研究テーマとして選択する。現在、下記の4テーマを具体的に設定している。
1)法人税をめぐる転嫁と帰着の分析
2)公的年金の税方式化の経済効果:多部門世代重複モデルによるシミュレーション分析
3)社会保障と税制のあり方の分析
4)社会経済構造の変化に対応した地方税制のあり方について:地方税と地方交付税の関係をふまえて

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7. 労働市場制度改革

プロジェクトリーダー

鶴 光太郎上席研究員

プロジェクト概要

日本の「労働市場制度」(Labor Market Institutions)の新たな「かたち」、改革のあり方を考えるために、法学、経済学、経営学など多面的な立場から理論・実証的な研究を行う研究会を組織する。広く「労働市場制度」全般に目を向けながらも、それぞれの構成要素の相互関係に目配りし、特に、縦割り・垣根を越えた見地から包括的な労働法制のあり方について提言を行う。また、分析に当たっては、ヨーロッパ等の経験など国際的な視点・分析手法を十分取り入れながら、労働法制・制度と労働市場・雇用システム、ひいては経済パフォーマンスとの関係(非正規雇用問題を含む)を明らかにする。

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8. 自立型地域経済システムに関する研究

活動期間:2009年1月20日〜2010年1月31日

プロジェクトリーダー

中村 良平ファカルティフェロー

プロジェクト概要

開放体系のなかで自立した地域経済を目指すには、地域資源の活用力(比較優位性)、域内に資金を呼び込む力(移出力)、域内の資金の流出を防ぐ力(循環性)といった地域の力が必要となる。また、自立力の継続性に関しては、地域経済のイノベーション力が必要となる。このような視点に立って、本プロジェクトは次の3つの柱から研究を構成する。
1)自立可能な地域集積の分析:どのようにすれば域外マネーを獲得していけるかを、供給面から投入要素の役割と技術進歩との関係、集積を導く三大要素である「知識の漏出」「連関効果」「要素の共有化」の外部経済効果を工業統計等の個票を用いて定量化を試みる。
2)自立可能な地域規模の分析:NEGモデルを応用して、地域格差の要因を市場と供給のポテンシャルに分けて検討する。また、将来の道州制も視野に入れた地域統合の効果に関してもポテンシャルを計測して検討する。
3)地域間格差の内生的解消:地域間格差は、地域にとって外生的な政策よりも環境財等を考慮した首都圏と地方圏の間での比較優位性のやりとりによる内生的な格差解決策が望ましい。NEGモデルを展開してシミュレーション分析を試み、政策的インプリケーションを示したい。

主要成果物

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9. 企業法プロジェクト−市場と法の制度補完性(旧 インセンティブ構造としての「企業法」)

活動期間:2007年4月11日〜2010年6月30日

プロジェクトリーダー

宍戸 善一ファカルティフェロー

プロジェクト概要

企業は、企業活動に不可欠の資源の拠出者、すなわち、人的資本の拠出者としての経営者と従業員および物的資本の拠出者としての株主と債権者の間で行われる動機付けの仕組みと捉えることができる。市場と法制度は、企業活動に参加する当事者間の動機付け交渉に影響を与える2つの重要なインフラである。法制度は、企業における動機付け交渉に対し、自己完結的に影響を与えるのではなく、他の重要なインフラである市場と制度補完的に影響を与えている。また、法制度は、各個別の法分野が独立して機能しているのではなく、異なった分野の法制度が制度補完的に作用することが多いことにも注意する必要がある。本プロジェクトは、企業における動機付け交渉に影響を及ぼすさまざまな法制度を「企業法」として体系化を試み、企業レベルでの効率的な動機付け交渉の実現に寄与することを目的とする。

主要成果物

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10. 経済社会の将来展望を踏まえた大学のあり方

活動期間:2007年4月13日〜2009年3月31日

プロジェクトリーダー

玉井 克哉ファカルティフェロー

サブリーダー

赤井 伸郎ファカルティフェロー

プロジェクト概要

2005年4月に国立大学法人制度が発足するなど、日本の大学をめぐって近年かなり大きな動きがあることは、周知の通りである。しかし、最近の制度改革によってすべての問題が解決したとはとても言い難い状況である。たとえば、国立大学の存在意義をはじめとして、「教育」と「研究」の相互関係と資源配分、運営費交付金や競争的研究の配分のあり方、国立大学法人を相互の競争と切磋琢磨に駆り立てるガバナンスのあり方、国立大学病院の経営など、さまざまな問題が未解決のままになっている。そしてこれらは、単に象牙の塔の将来に関わるだけでなく、21世紀のわが国の経済社会の将来にも関わる問題である。それについて考え方の手がかりを得るのが、今回の研究プロジェクトの目的である。現在、1)国立大学のパフォーマンスと資金配分の現状と展望、2)国立大学ガバナンスの現状と課題、3)大学と地域経済、をテーマに研究を進めている。

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11. 起業家、潜在的起業家等の動向に関する調査研究

活動期間:2007年8月21日〜2009年12月31日

プロジェクトリーダー

安田 武彦ファカルティフェロー

プロジェクト概要

わが国の創業活動を開業率で見ると、21世紀に入りわずかながら上昇しているものの、国際的には最も低い水準にある。創業活動はイノベーションと深くかかわりを有するものであることを考えると、こうした状況は早急に改善されるべきものであり、政府としても政策融資など、様々な手段によって開業を促進してきている。しかしながらそれらの政策のバックボーンとなる起業家の現状、開業に当たっての障害などについては、データ等の制約から欧米各国と比べ多くのことがわかっていない。とりわけ開業予備軍とも言われる潜在的起業家(Latent Entrepreneur)の状況については、彼らの動向が一国の創業活動の水準を決めるにもかかわらず、ほとんど解明されてこなかった。こうしたことから本プロジェクトでは、国内の起業家、潜在的起業家の実態について解明するとともに、そこから得られた個票を元に統計解析により起業家活動の活性化に向け、今日、何が問題となっているのかを明らかにする。

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12. 地球温暖化対策の開放経済下における理論的検討

活動期間:2008年4月25日〜2010年3月31日

プロジェクトリーダー

石川 城太ファカルティフェロー

プロジェクト概要

京都議定書を批准した国々は、削減目標値を達成するため、さまざまな政策を検討、あるいは実施してきた。最近では、第一約束期間後の新たな枠組み作りに向けたさまざまな動きも活発化してきている。地球温暖化対策の代表的な政策は、排出税と排出割り当てであろう。これらの政策は、閉鎖経済においては一般に同値性が成り立つ。しかし、最近の理論的研究において、開放経済においては同値性が成り立たないことが指摘されている(たとえば、Kiyono and Ishikawa 2004, Ishikawa and Kiyono, 2006を参照)。とくに、炭素リーケージの問題が重要である。つまり、ある国での温暖化ガス削減政策が、その国でのガスの排出を減らしたとしても、間接的に他の国でのガスの排出を増やしてしまうという問題である。また、排出割り当てとセットになった排出権取引に関しては、理論的な研究が十分蓄積されているとは言い難い。様々なレベルで排出量取引制度が試行されてきてはいるものの、EUを除くと、大規模な排出権取引制度確立への取り組みは遅れている。本プロジェクトは、炭素リーケージの問題や排出権取引の問題などをとくに開放経済の枠組みの中で検討し、新たな知見を得ることを目的とする。

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13. 地球温暖化防止のための国際制度設計

活動期間:2008年4月25日〜2010年3月31日

プロジェクトリーダー

古沢 泰治ファカルティフェロー

プロジェクト概要

地球温暖化対策は、温暖化のメカニズム自体に対する認識の相違や、温暖化防止が次世代のために現世代が「犠牲」になるという側面を持っているため、有効な国際協調がとりにくいのが現状である。そのような状況における国際協調は、報復制度を盛り込んだ制度を設計するだけでは不十分で、各国のモラルに訴え、協調へのインセンティブを維持する必要も出てくる。Hudec(1990)は、GATT国際法の遵守は「国際義務を果たすというモラル・政治的作用」と「報復措置の脅威」の2つの要因によっていると主張している。本研究は、この報復とモラルを硬軟の両輪とした協調促進制度を理論的に探究していく。

また、京都議定書でも問題となったように、地球温暖化問題にはフリーライダー問題が存在する。Maruta and Okada(2005)やFurusawa and Konishi(2008)が考察してきた協調参加問題もモデル化の際に考慮に入れる。また、温暖化防止の国際制度設計には、炭素税といった環境政策と輸入関税といった貿易政策が同時に関わってくるが、最適契約は、その両方を縛ることになるのか、もしくはそのいずれかに絞るべきなのかといった政策選択問題も重要であり、Horn, Maggi, and Staiger(2006)を参考にしながらこの問題についても考えていきたい。

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14. 地方分権・国際競争時代における地方活性化に向けたインフラ資産活用に対する行財政制度のあり方に関する実証的、国際比較制度分析−地方港湾の行財政運営制度・統治システムに関する考察−

活動期間:2008年6月16日〜2009年6月30日

プロジェクトリーダー

赤井 伸郎ファカルティフェロー

プロジェクト概要

成熟化社会を迎え、多様化したニーズに応えるため、地方が自己責任で行財政運営を効率的に行える制度に向けた改革が必要となっている。そのためには、国と地方の役割分担、住民によるガバナンスと行政のアカウンタビリティー、官民の役割分担の適正化が必要である。このような時代背景のもと、地域経済運営の重要な要素となるインフラ資産のひとつが、港湾である。しかしながら、これらの事業分野では、国と地方の役割分担が曖昧であり、地方が連携も通じながら自己責任で運営を行い、地方経済を活性化させるのに十分柔軟な行財政制度の整備はいまだなされていないと思われる。

具体的に財政的な視点から港湾を見てみると、国の港湾に関わる財政制度としては、国の港湾整備特別会計があるが、特別会計が生み出す効果の理論的背景の整理、港湾整備特別会計の財務諸表の詳細、個別港湾へのトランスファーの背後に潜在する再分配効果の推計、国による港湾整備補助が生み出す事後的な地方港湾の運営効率性への効果の分析は全くされていない。

また、地方港湾の財政に関しても、港湾独自の会計指標が十分では無く、どのように運営されているのかが住民などに十分説明されていない(アカウンタビリティーの欠如)。港湾のアカウンタビリティーの不備や国の規制が、所有形態、地域連携、地方港湾の運営効率性や地方自治体の将来に向けた取り組みに及ぼす影響も、理論的にも、実証的にも、十分には分析されていない。

本研究では、これまでの研究とは違った視点から、地方港湾を効率的に運営し地方経済を活性化する行財政制度のあり方を、多方面から検討する。

主要成果物

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15. グローバル化・イノベーションと競争政策

活動期間:2008年9月16日〜2010年9月30日

プロジェクトリーダー

川濵 昇ファカルティフェロー

サブリーダー

大橋 弘ファカルティフェロー

西垣 淳子上席研究員

プロジェクト概要

独禁法に基づく競争政策に対する関心が、アジア諸国を中心にここ数年で世界的に急速に高まっている。経済のグローバル化という新たな市場環境に直面する中で、世界各国は独禁法に基づく競争政策の運用やその考え方に対して大きな方向転換を迫られている。一方で、少子高齢化に突入した我が国がその経済活力を維持し続けていくためには、市場競争を十分に活用することを通じたイノベーションの更なる推進を欠かすことはできず、競争政策の役割はますます高まっている。本プロジェクトでは、こうした諸外国の動向を踏まえつつ、グローバル化とイノベーションの重要性がますます高まる中での競争政策のあり方について、法学・経済学・実務の知見を総合的に活用することにより検討を行う。

主要成果物

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16. 我が国のリスク資金供給の現状と政策課題

活動期間:2009年3月10日〜2010年3月31日

プロジェクトリーダー

村本 孜ファカルティフェロー

サブリーダー

吉野 直行ファカルティフェロー

プロジェクト概要

本研究プロジェクトでは、足元の金融危機の下で中小企業・地域に如何にリスク資金供給を行うかについて政策的観点を意識しつつ実施し、政策評価を踏まえ、可能な限り政策提言に繋げる。その観点から1)地域への資金配分、とりわけ地域の中小企業にいかに資金を供給するか、2)その資金供給はいかなる担い手によって実現されるか、という中小企業政策的視点で分析する。

現状において、リスク資金供給は地域密着型金融(リレバン)の中でも創業金融・融資で明確に位置付けられているが、間接金融ではカバーしきれない信用リスクなどが存在するため、ファンドの活用、ハイブリッド型融資(アップサイドリターン追及型融資)なども指向されているものの、その実績は金融機関融資の規模に比して極めて低い。したがって、リレバンの中でいかにリスク資金供給が可能であるのかを分析検討することも現状では極めて重要となる。

具体的テーマとしては以下を予定する。
1. 地方における資金ニーズの検証(地域の概念の整理とそこにおける資金ニーズ)
2. 中小企業基盤整備機構のファンド出資の実態と有効性
3. 新金融手法の有効性(ハイブリッドファイナンス、証券化など)
4. 地域におけるベンチャー支援施策への公的関与(政策金融機関の役割、地域金融機関相互の関連・競争など)
5. リレバンの深化に不可欠な手法(ソフト情報として知的資産、同経営評価など)
6. 地域における新たな取組み(住民参加型プロジェクト、金融NPO、介護ビジネスなどの民間資金導入スキームなど)
7. 海外の先進的手法の検討(レベニューボンドなど)

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17. 金融の安定性と経済構造

活動期間:2009年5月19日〜

プロジェクトリーダー

後藤 康雄上席研究員

プロジェクト概要

金融と実体経済の関係は古くから関心を持たれてきたテーマであるが、特に近年は、金融から実体経済への影響を中心に一段と注目されている。本研究プロジェクトは、現実面の動向、理論・実証研究の蓄積を踏まえつつ、金融に関しては「金融の安定性」等を、実体経済については中長期的な「経済構造」に関わる要素を視点に据えて、両者の関係を時系列データやパネル・データを用いながら実証的に分析するものである。

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18. 90年代の統治構造改革と議院内閣制の変容に関する研究

活動期間:2009年6月2日〜

プロジェクトリーダー

西垣 淳子上席研究員

プロジェクト概要

90年代の統治構造改革(選挙制度改革、国会改革、行政改革)は、もっぱらイギリス型議院内閣制(ウェストミンスターモデル)を念頭において進められ、我が国の議院内閣制の運用のあり方は変容しつつある。しかしながら、日本が模範としてきているイギリス型議院内閣制と従来の日本型議院内閣制との間では、議会における政府形成過程にとどまらず、立法過程の違いも大きく、また、国会や内閣の役割、両院制のあり方など多岐にわたって相違がある。そのため、一連の統治構造改革が目指してきた方向に進むには、実際の政治制度の下では、改善すべき点が残されている。そこで、本研究では、憲法学上とらえられてきた議院内閣制の基本構造と、実際に行われてきた政治のメカニズムとの関係を分析しつつ、残された問題点について指摘することを目的とする。

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19. 「タックス・コンプライアンス」を巡る国際的連携の動きと我が国の政策対応の在り方

活動期間:2009年9月8日〜2010年8月14日

プロジェクトリーダー

石井 道遠上席研究員

プロジェクト概要

経済・金融取引のグローバル化に伴い、タックス・ヘイブンなどのタックス・シェルターを利用した「ATP :Aggressive Tax Planning」(濫用的租税回避)が顕著になっている。これに対しタックス・コンプライアンスをいかに確保するかは、各国にとって、「税の公平」と「国家財政」の両面から深刻な課題であることは言うまでもない。

特に2008年以降、これまでに例のない国際的な脱税事件や世界的な金融経済危機が発生したことが契機となり、サミット、G20首脳会議、OECDなどの国際的な議論の場で、改めて「タックス・コンプライアンス」や「コーポレート・ガバナンス」の重要性が認識され、国際的な連携の動きが急速に進んでいる。

そのための「手法」として、主要国の税制・税務当局の間では、タックス・ヘイブンや納税者に対する「Enforcementの強化」を図りつつも、これだけに拠るのではなく、納税者との間で信頼と相互理解に基づく「協力関係の強化」(「Enhanced Relationship」の構築)を図り、「取引の透明性」を確保した上で「事前の確認・合意」による「リアルタイムでの問題解決」を通じてコンプライアンスの向上を図ることが重視されつつある。このような手法は、既に欧米主要国で試みられているが、行政と納税者双方の「透明性」、「効率化」に資するとともに、企業のTax Risk Managementの強化を通じた「コーポレート・ガバナンス」の改善にも有効とされる。

この問題は、今後我が国においても、行政当局のみならず企業や個人、更には金融・資本市場を含む社会全体にとって、「コンプライアンス」、「効率化」、「透明性」などの改善に向けた取組みの一環として重要な検討課題になる。このため、本研究では、最近の「タックス・コンプライアンス」を巡る国際的連携の動きを概観してその「意義」を明らかにするとともに、今後の我が国の政策対応の在り方を検討する。

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20. 企業情報開示システムの最適設計

活動期間:2010年2月2日〜

プロジェクトリーダー

古賀 智敏ファカルティフェロー

プロジェクト概要

本研究は、国際会計基準(IFRS)導入に対応して、企業の説明責任を果たすためのわが国独自の開示システムの最適デザインを構築しようとするものである。具体的には、財務情報と非財務情報との開示(「規約セクター」)並びに監査と内部統制(「保証・ガバナンスセクター」)の各側面から、わが国の企業実態に最も適合した開示システムのあり方を相互関連的かつ統合的に研究し、そのグランドデザインを提示しようとするものである。

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