執筆者 |
久米 功一 (コンサルティングフェロー) /大竹文雄 (大阪大学社会経済研究所) /奥平寛子 (岡山大学) /鶴 光太郎 (上席研究員) |
---|---|
発行日/NO. | 2010年3月 10-J-025 |
研究プロジェクト | 労働市場制度改革 |
ダウンロード/関連リンク |
概要
本稿では、非正規労働者の「雇用形態」の違いによる社会的排除の実態について、実証的に分析した。具体的には、非正規労働者を対象とした全国規模のWebアンケート調査から得られたデータを用いて7つの社会的排除指標を作成し、労働者の属性毎に社会的排除の実態を調べて、その決定要因に関する分析も行った。
その結果、指標毎にみると、日雇い派遣の社会的排除率は高く、製造業派遣における社会関係の欠如が顕著であった。しかし、様々な属性をコントロールすると、これらは派遣労働という雇用形態よりも、短い雇用契約期間や製造業での業務と関連していることがわかった。また、過去の就業上の経験や学校での過ごし方が現在の社会的排除の状況に影響していた。それぞれの社会的排除指標には正の相関があり、重複排除が起きていることも明らかにされた。