執筆者 |
植杉 威一郎 (コンサルティングフェロー) /内田 浩史 (神戸大学)/小倉 義明 (立命館大学)/小野 有人 (みずほ総合研究所)/胥鵬 (法政大学)/鶴田 大輔 (政策研究大学院大学)/根本 忠宣 (中央大学)/平田 英明 (法政大学)/安田 行宏 (東京経済大学)/家森 信善 (名古屋大学)/渡部 和孝 (慶應義塾大学)/布袋 正樹 (一橋大学大学院) |
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発行日/NO. | 2009年7月 09-J-020 |
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概要
本稿では、データが乏しい中小企業金融の現状を正確に知り、金融危機に端を発する深刻な景気後退下における中小企業の資金調達環境を把握するために、経済産業研究所が2008年2月と2009年2月の2回にわたり実施した企業向けアンケート調査の概要を報告する。2008年2月に実施した「企業・金融機関との取引実態調査」では、中小企業を中心とする全国の企業1万7018社に調査票を送付し、そのうちの36.0%に当たる6124社から回答を得た。中小企業金融の構造的な特徴を明らかにするために設計されたこの調査では、買掛金や支払手形など企業間信用の取引条件、メインバンクを含む主要借入金融機関間の役割の違い、信用保証制度に係る近年の制度変更の影響、などを明らかにした。
次に、2009年2月に実施した「金融危機下における企業・金融機関との取引実態調査」では、前回調査回答企業5979社に調査票を送付し、そのうちの68.6%に当たる4103社から回答を得た。世界的な信用収縮が起きた昨年秋以降、中小企業の資金繰りが困難を極めているとの指摘を受け、企業と金融機関、販売先企業、仕入先企業の関係がどのように変化したか、これら変化を吸収すべく中小企業がどのような取り組みを行ったかを調べた。また、前回調査と同じ質問項目については回答内容の変化も調べ、どのような点で中小企業の資金調達が厳しくなっているかを調べた。
RIETI集計表「2008年2月調査」 [PDF:835KB]
RIETI集計表「2009年2月調査」 [PDF:797KB]