| 執筆者 | 佐野 晋平(神戸大学)/鶴 光太郎(ファカルティフェロー)/久米 功一(東洋大学) |
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| 発行日/NO. | 2026年5月 26-J-025 |
| 研究プロジェクト | 日本の人的資本改革 |
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概要
本稿は、「全世代的な教育・訓練と認知・非認知能力に関するインターネット調査」の個票データとJob-tagより作成したSTEM職指標を組み合わせ、STEM職への就業およびSTEM職の賃金プレミアムの男女差を実証的に分析した。分析結果は以下の通りである。男性の方は女性と比べSTEM職指標の平均は高く、相対的に男性の方がSTEM職指標の高い職業に従事している。大卒者に限定した場合、男女ともに理系学部卒業者は文系学部卒業者よりもSTEM職指標は高いが、理系学部卒業者内においても男性は女性と比べSTEM職指標は高い。このような理系の大学に進んだにも関わらずSTEM職になるには男女差があることは回帰分析からでも確認される。賃金関数の推定結果によると、STEM職には賃金プレミアムが観察され、高いレベルのSTEM職の場合、男女間での賃金格差が縮小する傾向が観察される。就職先としてより高いレベルのSTEM職に就くことに男女差があるが、高いレベルのSTEM職においては賃金の男女差が消失することを示している。こうした研究結果は、より高いレベルのSTEM職を目指すことがジェンダーギャップを縮小していく一つの手段になりうることを示している。