執筆者 | 西村 和雄(ファカルティフェロー)/八木 匡(同志社大学) |
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発行日/NO. | 2022年10月 22-J-037 |
研究プロジェクト | 日本経済社会の活力回復と生産性向上のための基礎的研究 |
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概要
親が子供に対して、声かけと応え方をどのようなものにするか、特に、子供が問題行動をとったときの注意の仕方、好ましい行動をとった時の励まし方は、子育てに関する著作や多くの論文が重要視していることである。本論文では、日本人に、実際に多くの親が行うと思われる叱り方、褒め方を取り上げ、子どもの時の叱られ方、褒められ方と成人後の自己決定度や安心感、さらに、長期的な視点で物事を考える習慣や倫理的行動に与える影響を調べた。長期的な視点で物事を考える習慣は、行動経済学における双曲割引の度合いと関連があり、賞罰が、双曲割引の度合いを高め、遠い将来よりも直近の利得を強く意識するような影響を与えるとするなら、それは倫理的行動にも影響を与えているであろう。