新型コロナと在宅勤務の生産性:企業サーベイに基づく概観

執筆者 森川 正之 (所長・CRO)
発行日/NO. 2020年10月  20-J-041
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概要

本稿は、日本企業に対する独自のサーベイに基づき、新型コロナウイルス感染症の下での在宅勤務の実態を、在宅勤務の生産性に焦点を当てて概観する。その結果によれば、回答企業のうち約半数が在宅勤務を実施していた。在宅勤務集約度すなわち在宅勤務による労働投入のシェアは、在宅勤務実施企業の平均で約23%だが、企業間での分散が大きい。在宅勤務従業者の生産性を職場での生産性と比較した平均値は約68%だが、やはり企業間での分散が大きい。在宅勤務を実施した企業のうち半数近くは、感染症の終息後も在宅勤務制度を活用しようと考えており、そうした企業は在宅勤務に関連する投資や体制整備に積極的な傾向がある。在宅勤務の生産性を含めて、本稿の結果は、就労者を対象としたサーベイの結果とおおむね整合的である。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:21-E-002