執筆者 | 関沢 洋一 (上席研究員)/小西 葉子 (上席研究員)/五十里 寛 (上席研究員) |
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発行日/NO. | 2020年2月 20-J-006 |
研究プロジェクト | 産業分析のための新指標開発とEBPM分析:サービス業を中心に |
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概要
本稿では高血圧・脂質異常症・糖尿病を軽度生活習慣病と呼んで、中高年においてどういう人々が軽度生活習慣病になりやすいのか(なりにくいか)を生活習慣に焦点をあてて検証した。厚生労働省の中高年者縦断調査の11年分のデータを分析に用いた。
分析の結果、男性の場合には、軽度生活習慣病と新たに診断されるリスクが、飲酒をほとんどしない場合に比べてある程度以上の飲酒をしていると増え、喫煙者に比べて禁煙者は増え、運動をほとんどしない場合に比べて、軽い運動を週4日以上、または、激しく息がはずむ運動を週1~3日していると減り、社会参加活動があると増えた。また、健康維持のために心がけていることとして、食事の量に注意するとリスクが増え、食後の歯磨きをすると減った。女性の場合、飲酒をほとんどしない場合に比べてほどほどの飲酒をしているとリスクが減り、喫煙者に比べて禁煙者は増え、運動をほとんどしない場合に比べて、多少息がはずむ運動を週4日以上していると増えた。また、健康維持のために心がけていることとして、食事の量に注意しているとリスクが増え、バランスを考え多様な食品をとると減り、ビタミンやミネラルを摂取すると増え、適正体重を維持すると減った。
これらの結果の中には先行研究と一致しないもの、常識に反するもの、あまり知られていないものが含まれており、ランダム化比較試験などを通じた更なる精査が望まれる。