コンパクトシティ政策は存続小売事業所に便益をもたらすのか? 富山市からの証拠

執筆者 岩田 真一郎 (富山大学)/近藤 恵介 (研究員)
発行日/NO. 2019年12月  19-J-069
研究プロジェクト コンパクトシティに関する実証研究
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備考

初版:2019年12月
改訂版:2021年10月

概要

本研究では富山市のコンパクトシティ政策について商業活性化の観点から評価を行う。富山市のコンパクトシティ政策の特徴は、「お団子と串」といわれるように、局所的に生活拠点を集約しながら、公共交通網により都心地区と接続するという点にある。その具体的な政策として、中心市街地活性化政策と公共交通沿線居住推進事業に着目する。これらの政策の特徴は、指定された対象区域内で事業を行うという実施プロセスにある。本研究では、政策の対象区域に設定される前から立地していた小売事業所に対して、事後的な区域指定による効果をマッチング推定により評価する。分析の結果、もともと対象区域内に立地していた小売事業所に対しては十分な商業活性化の効果をもたらしているとは言えないことが明らかになった。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:21-E-085