H21-1-06

平成21年度「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する国際比較調査」

プロジェクト

ワーク・ライフ・バランス施策の国際比較と日本企業における課題の検討

プロジェクトリーダー

武石 惠美子 (RIETIファカルティフェロー/法政大学キャリアデザイン学部教授)

調査の目的と背景

わが国において、ワーク・ライフ・バランス社会の実現の必要性が高まっている。ワーク・ライフ・バランスの実現がなぜ必要か、ということに関しては、「ワーク・ライフ・バランス憲章」および「行動指針」策定の過程等で議論が収斂してきているが、そもそもワーク・ライフ・バランスを阻む要因は何か、どうすればワーク・ライフ・バランスが実現するのか、という点に関しては、いまだに抽象的な議論にとどまっていると思われる。

近年、EUや欧米諸国でもワーク・ライフ・バランスの必要性が指摘されており、各国の事情を背景に様々な対応が行われている。特に、欧米のワーク・ライフ・バランス施策では、「働き方の柔軟性の確保」という点が強調されるのに対して、日本におけるワーク・ライフ・バランスの議論では、「長時間労働の是正」や「休暇取得の促進」といった、「今ある過剰な働き方の見直し」という点も併せて強調されている。わが国のワーク・ライフ・バランスの議論は、欧米で議論されている「働き方の柔軟性の確保」に加えて、「働きすぎの是正」という二つの課題を解決しなければならないという点において、より難しい課題に直面しているといえる。さらに「正規-非正規の大きな処遇格差」という問題も、ワーク・ライフ・バランスを実現する上で解決が迫られている。

こうしたわが国の現状においてワーク・ライフ・バランスを実現するためには、国の政策を基本にしつつも、個別企業において施策や制度が導入・運用されることがきわめて重要であることから、個別企業や職場のレベルにおいてどのような施策や取組が有効であるのかを探るのが本研究の目的である。日本では、先進的な企業においても制度・施策の導入等にとどまり、それを実現するための職場レベルでの対応策に関しての情報はきわめて不十分である。また、企業レベルでの制度導入が必ずしも職場レベルまで浸透していなかったり、あるいは人事方針が職場の意識とずれている、そもそも施策の有効性を理解していない経営者も多く存在するなど、施策展開において様々な課題が指摘されてきた。諸外国の企業・従業員調査によるWLB施策の現状や課題を参照しながら、わが国における課題の整理と今後の方向性についての提案を行うため、調査を実施した。

調査概要

     
調査対象・対象者数

①日本:企業調査及び従業員調査
 企業調査:従業員100人以上の企業10,000社
 従業員調査:企業調査対象の企業各社10名

②イギリス:企業調査及び従業員調査
 企業調査:従業員250人以上の企業200社
 従業員調査:従業員250人以上の企業の正社員

③オランダ・スウェーデン:企業調査
 企業調査:従業員250人以上の企業各100社

調査手法

①日本:企業調査及び従業員調査
 郵送調査

②イギリス:企業調査及び従業員調査
 企業調査-電話調査
 従業員調査-調査会社のモニターを対象とするWEB調査

③オランダ・スウェーデン
 電話調査

実施時期

①日本
 平成21年(2009年)12月〜平成22年(2010年)1月

②イギリス
 企業調査:平成22年(2010年)2月〜6月
 従業員調査:平成22年(2010年)7月

③オランダ・スウェーデン
 平成22年(2010年)2月〜6月

有効回答数

①日本
 企業調査:1,677社
 従業員調査:10,069人

②イギリス
 企業調査:202社
 従業員調査:979人

③オランダ・スウェーデン
 企業調査:各100社

主な調査項目

①企業調査
 A) 社員構成、企業概要、人事管理
 B) 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)への取り組み
 C) 労働時間、給与
 D) 非正規社員の活用

② 従業員調査
 A) 職場の状況
 B) 仕事と生活の調和のための施策
 C) 就労時間、勤務体系
 D) 職場への満足度

調査票のダウンロード

1 企業調査 調査票(日本語版) [PDF:187KB]
2 企業調査 調査票(英語版) [PDF:212KB]
3 従業員調査 調査票(日本語版) [PDF:216KB]
4 従業員調査 調査票(英語版) [PDF:240KB]

関連リンク