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※本プロジェクトは、終了しております。

情報家電の現状と展望

いま、とても売れているデジタル家電とは何か?素朴な疑問からはじまり、それぞれの商品カテゴリ毎にアナログ時代のとの進化のレベルを検証する。さらに通信のデジタル化と融合することで今後どのような社会変化が起きようとしているのか?少しづつ現れているデジタル社会へのイノベーションの萌芽を見つけなから、後の章につづくためのイントロダクション的役割を担う。

2004年10月17日 消費者の選択肢の広がり

今回の政策検討の調査において、デジタル家電機器を構成するデバイス技術や製造技術において日本企業は、90年代のパソコンに代表されるようなほとんどのキーデバイスを海外企業の供給に頼るようなことはなく、80年代の家電産業のようにメーカー主導で垂直統合的なものつくりに回帰して、日本の強みが発揮されているという感触を得ました。店頭における製品販売においても日本企業の強みとブランド力は海外企業を圧倒していることも事実です。しかし、

大型量販店や大手スーパーでも、日本企業の家電製品だけでなく、すでに海外の家電企業の安価なデジタル家電が店頭にならび始めており、インターネットを通じた海外企業のネット販売もまた安価な商品提供を魅力として顧客を増やしつつあり、流通企業の商品調達のグローバル化が進んできている現実もあります。

この流れのなかで見逃せないのは国内の消費者の心を掴んだ海外製の製品もまた着実に普及していっていることです。

現在の家電市場に置いては「日本人が作り、日本市場に売り、日本で作られたものを海外へも売る」という日本国内ですべて賄える80年代の市場構造から、商品企画、製造プロセス、販売管理、マーケティング、カスタマーズサポートまでもグローバル化している市場構造への変化が進行していると考えられます。
一消費者の視点で考えれば、機能を求めて製品を購入する際には、国内、海外を問わず、様々な商品選択し、身近で安価に購入可能とする家電市場が到来したと実感できます。
よくメディアで言われる「アナログからデジタルへ」という家電機器のアーキテクチャーの変化よりも、この消費者の商品選択枝の広がりとそれに合わせた消費者の購入行動の変化のほうが、インパクトのある市場変化ではないでしょうか?この変化は今後拡大することが有っても縮小することはあり得ない市場構造変化であると思っております。

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2004年10月17日掲載