| 執筆者 | 菊地 雄太(近畿大学)/久保 克行(早稲田大学)/山野井 順一(早稲田大学) |
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| 発行日/NO. | 2026年10月 26-J-046 |
| 研究プロジェクト | 企業統治分析のフロンティア |
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概要
本稿は、日本の中小企業における買収前後の従業員賃金の変化を、2015~2023年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の調査票情報と東京商工リサーチ(TSR)の企業・買収情報を接続したデータにより分析する。対象は延べ約109万件の従業員観測、約2.8万社で、うち約1,100社が買収を経験している。主な結果は、買収後の平均賃金が買収前より高く、年齢別賃金プロファイルも全年齢で買収後が上方に位置することである。この傾向は買収前から在籍していたと考えられる従業員で特に顕著である。他方、賃金は買収前から上昇傾向にあり、労働時間・残業時間・勤務日数に買収後の増加傾向はみられない。Callaway and Sant'Anna型のCSDID等による分析でも概ね同様の傾向が得られるが、平行トレンドの仮定は満たされず、結果を因果効果として解釈するものではない。