| 執筆者 | 石井 晋(ファカルティフェロー) |
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| 発行日/NO. | 2026年9月 26-J-038 |
| 研究プロジェクト | 1990年代後半から2010年代までの日本の半導体産業に関わる政策史 |
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概要
世界の半導体集積回路(ICチップ)産業において、1990年代以降、技術ロードマップが策定され、大きな技術的障壁に直面したことから、非競争領域の拡大が図られ、欧米において共同研究開発体制が構築された。その後も、2010年代に至るまで、高集積化が進展したが、同時にICチップ産業の各市場において独占的パワーを背景として寡占度が上昇した。日本においても、1990年代半ば以降、メーカー主導のもと政策支援を受けながら共同研究開発体制が形成されたが、有力候補となる技術分野へのリソースの集中、外部リソースの投入、成果の円滑な事業化といった機能を十分に果たすことができなかった。2000年代初め、共通プロセスの採用による専業ファウンドリー設立構想が生まれ、経済産業省もこれを推進したが、実現には至らなかった。これらの結果、日本のICチップ産業への技術的貢献は、センサー、フラッシュ・メモリー等のいくつかの製品分野と、要素技術開発が成果を上げた製造装置や材料などに限られ、控えめなものとなった。半導体産業への投資の減退は、そうした環境のもとでの、メーカーによる適応的な経営戦略の結果と考えられる。ICチップへのより効果的な産業政策があったとすれば、独占の弊害の軽減や半導体人材の有効活用などの面で、一定の効果を持つ可能性があったものと考えられる。