| 執筆者 | 宇南山 卓(ファカルティフェロー)/高橋 悠太(大阪大学)/高山 直樹(一橋大学) |
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| 発行日/NO. | 2026年8月 26-J-032 |
| 研究プロジェクト | 経済の非対称性と日本経済の課題 |
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概要
本論文では、複数時点の国勢調査を接続し、同居する子供の情報を累積することで、完結出生児数の分布を推計する手法を提案する。この手法を1980年から2020年までの10年ごとの日本の国勢調査に適用し、1940年から1980年生まれまでの1歳刻み・学歴別の完結出生児数分布および完結出生率のデータを構築した。この悉皆データから次の5つの事実が明らかになった。(1) 完結出生率は1955年生まれから1970年生まれにかけて2.0から1.4へ低下した後に下げ止まっており、急速な高学歴化による構成効果は完結出生率低下全体の約5%に過ぎず、低下の大部分は学歴内の行動変化によって説明される。(2) 子供数分布は、子供2人を中心とする分布から、子供を持たない女性の割合が高い分布へと変化した。(3) 完結出生率低下には、有子女性の平均完結出生児数の低下、生涯未婚率の上昇、既婚生涯無子率の上昇がそれぞれ約3分の1ずつ寄与しており、後二者を合わせた生涯無子女性の増加が約3分の2を説明する。(4) 増加した生涯未婚者の多くは50歳時点で親と同居している。(5) 増加した親同居の生涯未婚女性では、「主に仕事」の割合が高水準で推移しており、「家事」の割合はむしろ低下している。これらの事実は、学歴によらず観察されたが、有子女性の平均完結出生児数の低下、生涯未婚率の上昇、既婚生涯無子率の上昇の寄与の大きさは学歴によって異なっていた。