子どもの医療費無償化のスピルアップ効果

執筆者 佐藤 大晃(慶應義塾大学)/中室 牧子(ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2026年7月  26-J-031
研究プロジェクト 機能するEBPMの実現に向けた総合的研究
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概要

本研究は、子どもの医療費無償化が親の心理的負担に与えるスピルアップ効果を実証的に検証するとともに、その効果を学校給食費無償化と比較したものである。青森県の2018年及び2023年のデータを用いて差の差分析により推定した結果、子どもの医療費無償化は子どもの健康や医療アクセスには有意な影響を与えなかった一方、親の心理的負担(K6)を改善することが示された。この効果は主として所得上位50%の世帯で確認された。また、学校給食費無償化も親の心理的負担を改善したが、財政コストを考慮すると、親の心理的負担というアウトカムに限れば、子ども医療費無償化の方が費用対効果は高い可能性が示された。さらに、媒介分析の結果、子ども医療費無償化は家庭内での子どもへの関与を、学校給食費無償化は学校・地域活動への関与を高めることが明らかとなった。