| 執筆者 | 久米 功一(東洋大学)/鶴 光太郎(ファカルティフェロー)/佐野 晋平(神戸大学) |
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| 発行日/NO. | 2026年5月 26-J-027 |
| 研究プロジェクト | 日本の人的資本改革 |
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概要
本稿は、日本企業におけるパワーハラスメントの要因として、管理職の「ダークトライアド」(マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム)に着目し、その昇進や賃金との関係を分析した。RIETI全世代調査(2019年)を用いた実証分析の結果、特にマキャベリアニズム傾向の強い人ほど課長級以上に昇進しやすく、賃金も高い傾向が確認された。一方で、課長級以上に昇進した後は、これら性格特性とさらなる昇進や高賃金との明確な関連はみられなかった。また、マキャベリアニズムの高い管理職は、人手不足や競争的雰囲気の強い職場に多く、説得力や働きかけ力を発揮しつつ、職務命令を是とする傾向があった。これらの特性と職場環境が結びつくことで、パワハラが生じやすい構造が形成されることから、パワハラ対策として、ハラスメント研修だけでなく、ハラスメントにかかわる性格特性の把握に努めて対応することの重要性が示唆された。