| 執筆者 | 浅川 慎介(佐賀大学)/阿部 眞子(日本経済研究センター)/大竹 文雄(ファカルティフェロー)/佐野 晋平(神戸大学) |
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| 発行日/NO. | 2026年4月 26-J-022 |
| 研究プロジェクト | 機能するEBPMの実現に向けた総合的研究 |
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概要
本稿は尼崎市の児童生徒のパネルデータを用い、クラスサイズ編成ルールを利用した回帰不連続デザインにより、クラスサイズ、教育アウトカムそして家計の教育投資行動の関係を分析した。2018年から2019年の尼崎市の公立小中学校の児童生徒パネルデータを用いた分析によると、クラスサイズの削減は小学生の国語・算数の学力スコアや勤勉性に影響を与えない一方で、中学生の数学・国語スコアや勤勉性を引き下げる。小学生に関して、クラスサイズ縮小は就学援助受給グループの算数スコアと勤勉性を引き上げる効果を持つが、中学生に関しては国語スコアを引き下げる。このような結果を生み出す要因は、クラスサイズの変化に家計が対応している可能性が考えられる。クラスサイズの変化と子どもの勉強時間や家庭の学習の関与の関係を分析すると、クラスサイズが拡大するとそれに反応するように子どもの勉強時間は増え家庭の学習への関与は増える。ただし、それらの関係は、就学援助受給の有無や、コロナ禍前後で異なることが明らかとなった。クラスサイズの変更の子どものアウトカムへの影響は、学校資源の変更を通した影響だけではなく、それによる家庭の教育投資行動の変化を通した影響も考慮する必要がある。