| 執筆者 | 石倉 秀明(慶應義塾大学)/林 良平(高知工科大学)/中室 牧子(ファカルティフェロー) |
|---|---|
| 発行日/NO. | 2026年4月 26-J-019 |
| 研究プロジェクト | 労働市場における男女格差の原因と対策 ― 人的資本、教育、企業人事、職業スキルの観点からの理論及び計量研究 |
| ダウンロード/関連リンク |
概要
本研究は、埼玉県内の12校の高校生を対象とした模擬試験の追跡データを用い、クラスの女子比率がSTEM分野の進路選択や進学に与える影響を明らかにする。分析の結果、高校2年生の初めに文理選択によってクラスのピア構成が制度的に再編成される前後で、クラスの女子比率の効果が異なることが示された。文理選択前には女子比率が高いクラスほど女子がSTEM志望から離脱しやすい一方、文理選択後の高校2年生以降ではこの関係は逆転し、女子比率が高いクラスほど女子がSTEM志望を維持しやすい。この効果は女子にのみ一貫して観察され、男子には明確には確認されなかった。これらの結果は、高校生の進路選択が学力やその相対順位のみならず、ロールモデル効果や同調圧力などの社会的相互作用にも影響を受けていることを示唆している。さらに、クラスの女子比率は高校在学中の進路志望だけでなく、実際の大学進学先にも影響を与えていることも明らかになった。