更年期女性の閾値下うつに対するアプリを用いた認知行動変容セルフケアプログラムの有効性の検討−ランダム化比較試験−

執筆者 沼田 法子(千葉大学)/関沢 洋一(上席研究員)/柏 一婧(千葉大学)/三好 未来(千葉大学)/松澤 朱里(千葉大学)/野田 義和(東都大学)/佐々木 翼(千葉大学)/清水 栄司(千葉大学)
発行日/NO. 2026年3月  26-J-016
研究プロジェクト 医療と健康についての今後の政策のあり方を探求するための基礎的研究
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概要

目的:更年期による身体的および心理社会的変化により生じる抑うつ症状に悩む女性を対象に、認知行動変容アプローチをもとにしたデジタルヘルスケア介入の有効性を検証した。

方法:40歳以上60歳未満の女性を対象に、Web上で参加者を募集し、適格基準を満たした968名を介入群(488名)と対照群(480名)に無作為に割り付けた。介入群には、心理教育を中心としたセルフケアアプリを4週間(週5日)提供した。主要評価項目には「更年期症状に対する対処尺度」、副次評価項目には、抑うつ症状(PHQ-9)、不安症状(GAD-7)、更年期症状(簡略更年期指数:SMI)、精神的健康状態(WHO-5)尺度を用いた。データの解析には、反復測定混合モデル(MMRM)を用い、ベースラインおよび介入後に取得された全てのデータを用いた。

結果:「更年期症状に対する対処尺度」では介入群は対照群と比較して有意な改善は認められなかった。抑うつ症状、不安症状、精神的健康状態において、介入群は対照群と比較して、有意な改善を示した。簡略更年期指数(SMI)では介入群は対照群と比較して有意な改善は認められなかった。

限界:介入群のうち実際に介入を受けた者が238名で約50%にとどまり、実際に介入を受けなかった者の評価指標の計測を行わなかったため、効果が過大になっている可能性がある。

結論:認知行動変容アプローチに基づくデジタルセルフケア介入が、更年期女性の抑うつ症状、不安症状、および主観的ウェルビーイングの改善に有効である可能性が示唆された。