| 執筆者 | 宮島 英昭(ファカルティフェロー)/内田 交謹(早稲田大学)/淺井 優(合同会社デロイト トーマツ)/大森 光(合同会社デロイト トーマツ) |
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| 発行日/NO. | 2026年3月 26-J-015 |
| 研究プロジェクト | 企業統治分析のフロンティア |
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概要
本研究では、合同会社デロイト トーマツの役員報酬サーベイ2023を用いて、サクセッション・プラン導入企業の特性と導入による効果を分析した。執行役員制を採用し、社外取締役割合が高く、任意の指名委員会を設置するなど、経営の執行と監督の分離が進んでいる企業ほどサクセッション・プランを導入する傾向にある。またサクセッション・プラン導入後は、取締役経験が短く、常務・専務取締役の地位に就いたことのない経営者が選任される確率が高くなっている。これらの結果は、執行と監督の分離によって取締役会が経営者候補の能力を直接観察する機会が減少した場合にサクセッション・プランが必要になるという仮説と整合的である。サクセッション・プランの公開後は、経営者交代の発表時に正の株価反応が観察された。先行研究と同様、規模の大きい企業ほどサクセッション・プランを導入する傾向にある。この結果は、高度なスキルを必要とする企業がサクセッション・プランを通じてトレーニングを実施するという考え方と整合的であるが、多角化度、M&A件数、機関投資家持株比率、外国人持株比率とサクセッション・プラン導入の間には、有意かつ一貫した関係は観察されなかった。