日本企業のCEO報酬決定:個別データを用いた実証研究

執筆者 宮島 英昭(ファカルティフェロー)/齋藤 卓爾(慶應義塾大学)/今野 靖秀(デロイト トーマツ)/辻 一真(デロイト トーマツ)
発行日/NO. 2026年3月  26-J-012
研究プロジェクト 企業統治分析のフロンティア
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概要

経営者報酬は極めて重要なコーポレートガバナンスメカニズムの一つと認識されてきたが、日本では1億円以上の報酬を得ていない限り経営者の報酬額を開示する必要がないため、その実態は明らかではなかった。本研究は、1億円以下の報酬であるCEOも含んだデロイトトーマツグループが三井住友信託銀行と共同実施している役員報酬サーベイのデータを利用することにより、近年の日本企業のCEO報酬の実態を明らかにすることを目指した。分析の結果は、CEO報酬の構造や変化が企業規模によって大きく異なることを示していた。大企業では、譲渡制限付き株に代表される株式報酬が増加し、報酬額が大きく増加していたのに対して、中小型株ではそのような動きは見られなかった。また、取締役会や株主構成もCEO報酬に影響を与えていた。米国では社外取締役などのモニタリングが強くなるほど、経営者報酬は低下する傾向がみられるが、日本では逆に報酬が増加する傾向が見られた。