| 執筆者 | 大竹 文雄(ファカルティフェロー)/中村 文香(和歌山大学)/杉山 巧馬(大阪大学) |
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| 発行日/NO. | 2026年3月 26-J-011 |
| 研究プロジェクト | 機能するEBPMの実現に向けた総合的研究 |
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概要
感染症の発生届は感染症法により医師に届出が義務付けられているが、届出が正確に行われておらず実態を把握できていない可能性が危惧されている。本研究では、梅毒、ウイルス性肝炎、急性弛緩性麻痺、急性脳炎、侵襲性肺炎球菌感染症、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を対象に、医師へのオンライン調査により発生届出の実態を把握し、届出のボトルネックを特定した。その結果、発生届の届出割合は低く、主な要因は届出義務や罰則の認識不足であった。届出割合は50代以上の医師や義務認識が低い医師で有意に低く、定点医療機関勤務や電子カルテ導入で有意に高かった。RCTにより届出促進ナッジの効果を検証したところ、即時的には届出意欲を高めるが、3ヶ月後にはその効果はほぼ消失した。発生届出率向上には、検査通知票への届出義務の明記や定期的な啓発活動が必要である。