日本のスタートアップ企業の成長要因:Resource-based view分析

執筆者 浜口 伸明(ファカルティフェロー)/ジョアン・カルロス・フェハス(リオデジャネイロ連邦大学)
発行日/NO. 2024年7月  24-J-019
研究プロジェクト 革新創発プラットフォームとしての地域経済
ダウンロード/関連リンク

概要

日本のスタートアップ企業は製品開発に積極的だが人材獲得と知財戦略は進んでいない。資金調達では創業者の自己資金と融資が重視され、VCを重視する頻度は高まっている。立地は人材獲得と販売先への近さが重視され、質が高い労働力を雇用しやすく行政からの支援が得やすい地域を求めている。自己資金および民間VCを重視する資金調達、有能な従業員を雇用しやすい環境を重視する立地戦略、事業経験があって若い経営者が、売上げ成長率の高さと相関がある。分析結果は、スタートアップ企業の知財戦略への取り組みおよび人材獲得を支援する政策、多様な資金供給手段の提供、経験を有した若手人材にターゲットを絞ったアントレプレナー支援などが、スタートアップ企業の中長期的成長を促すことを示唆している。