執筆者 | 森川 正之(所長・CRO) |
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発行日/NO. | 2023年5月 23-J-019 |
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概要
本稿は、「全国短期経済観測調査」(日本銀行)のオーダーメード集計データを使用し、企業の販売価格及び仕入価格の不確実性に関する観察事実を提示する。その結果によれば、第一に、販売価格及び仕入価格の不確実性は、資源・エネルギー価格が高騰した後に世界金融危機に直面した2008年後半に顕著に増大したが、その後は比較的落ち着いた動きが続き、コロナ危機下でも低位にとどまった。第二に、販売価格の不確実性は、仕入価格の不確実性と強く関連しており、需給の不確実性との関係よりも顕著である。第三に、仕入価格の不確実性は、企業の販売価格を抑制する方向に作用している。
※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:23-E-040