トップマネジメントチーム改革とコーポレートガバナンス

執筆者 久保 克行(早稲田大学)/内ヶ﨑 茂(HRガバナンス・リーダーズ株式会社)/村澤 竜一(HRガバナンス・リーダーズ株式会社)/鈴木 啓介(HRガバナンス・リーダーズ株式会社)/山内 浩嗣(三菱UFJトラスト投資工学研究所)/瀬古 進(三菱UFJトラスト投資工学研究所)
発行日/NO. 2022年10月  22-J-036
研究プロジェクト 企業統治分析のフロンティア
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概要

この研究の目的は、日本のトップマネジメントチームの実態を明らかにすること、また、コーポレートガバナンスがトップマネジメントチーム改革に与える影響を分析することである。適切なトップマネジメントチームを構成することは、企業が高い業績を達成するために不可欠であると考えられる。また、執行と監督が分離するようになるにつれて取締役会とトップマネジメントチームがそれぞれどのような役割を果たすのかが重要になるであろう。このことを考えるために、コーポレートガバナンスとトップマネジメントチームの関係を分析する。CEOをはじめとするトップマネジメントチームのメンバーを選任するのは取締役会の重要な役割である。しかしながら、コーポレートガバナンスがトップマネジメントチームの構成に与える影響については、ほとんど研究がなされてきていない。本稿ではビューロー・ヴァン・ダイク社が提供するOsirisデータベース、東洋経済新報社の「役員四季報」、各社のwebサイト等から東京証券取引所に上場している約2,100社のトップマネジメントチームのデータを収集し分析した。トップマネジメントチーム改革としてはCEO (Chief Executive Officer)やCFO (Chief Financial Officer)などのいわゆるCxO制度の導入、トップマネジメントチームのダイバーシティーおよび執行と監督の分離に注目している。