執筆者 | 森川 正之 (所長・CRO) |
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発行日/NO. | 2021年8月 21-J-042 |
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概要
新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、ワクチン接種による個人消費回復への期待が強い。しかし、ワクチン接種が経済活動の回復に対してどの程度の効果を持つかについては不確実性が高い。本稿は、2021年7月に個人に対して行った独自のサーベイに基づき、ワクチン接種と消費行動の関係を考察する。その結果によると、第一に、新型コロナ終息後に消費を増やす意欲を持つ人はかなり多いが、自身のワクチン接種によって消費を拡大するという人はさほど多くない。第二に、男性よりも女性、高所得層、昨年のGoToキャンペーンを利用した人は、ワクチン接種に伴う消費拡大意欲がいくぶん強い傾向がある。健康状態や主観的な感染リスクとの明瞭な関係は確認されない。
※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:21-E-079