バブル期の土地取引とキャピタル・ゲイン/ロスの帰着

執筆者 宇南山 卓 (ファカルティフェロー)/吉川 洋 (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2021年7月  21-J-033
研究プロジェクト 人口減少社会における経済成長・景気変動
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概要

日本の地価は、バブル期に総額1327兆円(1986年)から2452兆円(1990年)まで上昇したが、その後2003年までにバブル発生以前とほぼ同水準である1300兆円へ下落した。この間ネットで、家計は通算136兆円に及ぶ土地を売却したのに対して、企業は55兆円の購入を行った。その結果、高値で土地を売却した家計には、巨額のキャピタル・ゲインが発生した。一方、購入した企業には、その後の地価暴落により膨大なキャピタル・ロスが発生した。本研究では、バブル期にどのような家計が土地を売却し、どのような企業が購入したか、またバブルによって生じたキャピタル・ゲイン/ロスの大きさとその帰着を明らかにし、それが日本経済に与えた影響について考察する。