日本の起業家と起業支援投資家およびその潜在性に関する実態調査

執筆者 中村 寛樹 (中央大学)/本庄 裕司 (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2019年3月  19-J-015
研究プロジェクト ハイテクスタートアップの創造と成長
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概要

日本における起業活動および個人の起業家精神は、世界各国と比較すると、必ずしも高い水準にあるとはいえない状況が続いてきた。そのような課題を解決するために、近年、産官学問わず、国あるいは地域における起業支援の活動や起業支援投資促進策が活発化している。しかしながら、そのような起業支援の活動や起業支援投資促進策が、どの程度、日本における個人の起業活動および起業支援活動に影響をおよぼすかは必ずしも定かではなく、まずは、無関心層や潜在性を含めた起業家および投資家の類型化とその実態の把握が必要不可欠である。そこで、本稿では、経済産業研究所で実施したアンケート調査の結果をもとに、日本の起業家と起業支援投資家(エンジェル投資家)およびその潜在性に関する実態について明らかにすることを目的とする。具体的には、起業に関して、個人を「起業家」、「連続起業家予備群」、「起業理解者」、「起業予備群」、「起業全般関心層」、「起業無関心層」に、投資家に関しては「エンジェル投資家」、「エンジェル投資家予備群」、「一般投資家」、「エンジェル投資関心層」、「一般投資関心層」、「投資無関心層」に類型化し、その割合や特徴、各類型が必要とする起業および起業支援に関する施策について明らかにする。