執筆者 | 立本 博文 (筑波大学)/平井 祐理 (東京大学政策ビジョン研究センター)/渡部 俊也 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2018年12月 18-J-032 |
研究プロジェクト | 企業において発生するデータの管理と活用に関する実証研究 |
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概要
企業がデータ利活用を通じて生産性を高めることや高付加価値の製品サービスを提供することは、日本産業にとって重要な課題となっている。そうした中、IoTやビッグデータ、人工知能といった新しいデータ技術は、産業の生産性を高度に向上させる切り札として期待されている。本研究では、「企業のデータ利活用に関して、産業毎の違いがあるのではないか」とのリサーチ・クエスチョンをもとに、質問票調査を用いて探索的分析を行った。産業毎の特徴値(平均値)の比較を行ったところ、多くの産業で似通ったものであり、データ利活用の成果についても特別に優越している産業が存在しているわけでないことがわかった。また、データ属性や行動属性を入力とし、成果項目を出力としたときに算出される反応係数についてクラスター分析を行ったところ、高度なデータ資源やデータ技術に関して反応係数がマイナスの産業群と、反応係数がプラスの産業群があることがわかった。これらの分析結果から、「データ資源やデータ技術への投資」と「最終的なデータ利活用成果」にはギャップがあることが示唆された。