第4次産業革命における管理職の役割:日米比較の観点から

執筆者 戸田 淳仁 (リクルートワークス研究所)/中馬 宏之 (ファカルティフェロー)/林 晋 (京都大学)/久米 功一 (東洋大学)
発行日/NO. 2017年10月  17-J-062
研究プロジェクト 人工知能が社会に与えるインパクトの考察:文理連繋の視点から
ダウンロード/関連リンク

概要

本稿は、部下あり管理職(営業職)を対象とした日米のアンケート調査を用いて、構成する業務について、AIなどの新技術との代替可能性を個人の意識の観点から把握することで、第4次産業革命における管理職の役割について検討した。その結果、米国と比べ日本の管理職はプレイング業務が多い。職場における知識は日本では属人的になっており、こうした職場ほど組織運営や部下マネジメントにかける時間が少ないことが分かった。また、技術進歩により従事している業務が消失する可能性について聞くと、日本よりもアメリカの方がテクノロジーにより仕事が置き換わると考えている人が多い。日米ともに、業務内容に人とのコミュニケーションが求められると考えている人ほど新技術による代替が起こらないと考えている。第4次産業革命においても部下マネジメントなどを中心に人とのコミュニケーションは人間が行う仕事として依然として重要性が残ることを指摘した。