執筆者 | 森川 正之 (理事・副所長) |
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発行日/NO. | 2016年5月 16-J-044 |
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概要
外国人旅行客の増加とそれに伴う日本での消費支出の増加が注目されている。本稿は、「宿泊旅行統計調査」(観光庁)のミクロデータを使用し、宿泊業の生産性に対する外国人旅行客の効果について分析する。生産性指標として物的な全要素生産性(TFPQ)を用いた点が本稿の特長である。宿泊生産関数の推計結果によれば、訪日外国人旅行者の増加は、宿泊サービスの需要増加という数量効果と、需要の時間的な平準化効果を通じて、宿泊業の計測されるTFPQの向上に大きく寄与している。ただし、外国人宿泊者数は施設による異質性が大きく、一部の宿泊施設で大幅に増加している一方、外国人宿泊者が依然としてゼロという施設も多い。
※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:17-E-106