法人税減税の政策効果 ―小国開放経済型DSGEモデルによるシミュレーション分析

執筆者 蓮見 亮  (日本経済研究センター)
発行日/NO. 2014年8月  14-J-040
研究プロジェクト 財政再建策のコストとベネフィット
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概要

本稿では、小国開放経済型モデルで、かつトレンドを内生化した動学的・確率的一般均衡(DSGE)モデルを用いて、税制の変更が日本のマクロ経済に与える短期的および長期的な影響の分析を行った。パラメータは、1980年~2010年までの日本の四半期のマクロ統計データを用いてベイズ推定を行った。

モデルとデータに基づくパラメータを用いて、GDP比1%相当の法人税減税と同規模の消費税増税を組み合わせた財政中立的な税制変更のシミュレーション分析を行った。実質GDPは2年目までに約1.1%、消費者物価(消費税の影響を除く)は0.2%程度上昇する。この結果は、このような税制変更には、短期的な成長率と物価の上昇という政策効果があることを示唆する。