電力自由化に関わる市場設計の国際比較研究~欧州における電力の最終需給調整を中心として~

執筆者 八田 達夫  (ファカルティフェロー) /三木 陽介  (経済同友会政策分析センター)
発行日/NO. 2013年11月  13-J-075
研究プロジェクト 電力自由化に関わる国際比較研究
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概要

日本では電力システムの大改革が行われようとしている。この改革で導入されるもっとも大きな制度は、「電力の最終需給調整への市場メカニズムの導入」である。具体的には、主としてインバランス精算制度と調整電力の入札制度である。これらの制度は、電力消費の時点における需給の逼迫状況をインバランス精算価格を通じて発電者にも需要家にも伝え、需給の乖離を縮小するために有効である。

電力システム改革に長い経験を持つ北欧や、比較的最近自由化したドイツでは、これらの問題を解決するために電力の自由化を推進してきた。

本研究では日本のシステム改革に資するべく、以下の諸点をこれら欧州諸国の市場制度の国際比較により解明する。

(1)予備電力および調整電力の入力方式
(2)インバランス精算の方式
(3)TSO間の協力体制
(4)balance responsible companiesが各国のリアルタイム市場で果たしている機能
(5)各国間のネットワークの連系線における混雑解消の諸方式