執筆者 |
三原 龍太郎 (慶應義塾大学) |
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発行日/NO. | 2013年7月 13-J-051 |
研究プロジェクト | 現代国際通商システムの総合的研究 |
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概要
現在経済産業省において推進されているクール・ジャパン政策はその多くが輸出振興政策で構成されているが、通商政策関連の論点との関連性はこれまであまり論じられてこなかった。本稿は、クール・ジャパン政策に係る輸出振興政策の概要(背景・定義、目的、方法論、代表的な政策、評価等)を俯瞰するとともに、今後我が国が当該輸出振興政策を推進する際に直面すると予想される通商政策関連の論点を整理することを通じて、両者のインターフェースにつき考察することを目的とする。具体的には、(1)我が国のライフスタイル・価値観を世界の消費者へ浸透させるというクール・ジャパン政策に係る輸出振興政策の「意図」が輸入国側から問題視されるのではないか、(2)「自由貿易の推進」と「文化多様性の保護」は必ずしもトレードオフの関係にはなく、日本はクール・ジャパン政策に係る輸出振興政策の推進により両者と異なる「第三極」の形成を主導できるのではないか、(3)クール・ジャパン政策に係る輸出振興政策の分野においても「コーポレート・フォーリン・ポリシー」の構築が必要なのではないか、等の論点につき考察する。