プロジェクト概要
今期の主たるテーマは文化メディア製品に関する国際貿易・投資の法的・経済的分析である。新しい成長戦略の必要性が叫ばれる昨今、我が国は文化コンテンツの輸出に優位を有することは以前から指摘されてきた。この優位を生かす具体策がクールジャパン構想である。しかし文化メディア財・サービス産業の保護は国家的アイデンティティや言論の自由などの憲法的関心と密接に結びついており、その貿易・投資は必ずしも自由化になじまないとされる。このプロジェクトでは法学・経済学の双方から現行規定の問題点と最適な文化メディア財・サービス貿易の規制のあり方を模索する。
このプロジェクトではその他に、前期間に引き続きWTO判例研究、補助金規律研究を実施する。
プロジェクト期間: 2011年7月 1日 〜 2013年6月30日
主要成果物
2013年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 13-J-065
「文化メディアの越境流通促進のためのサービス貿易自由化」 (国松 麻季) - 13-J-059
「文化的財の国際貿易に関する実証的分析」 (神事 直人、田中 鮎夢) - 13-J-056
「WTO協定における文化多様性概念-コンテンツ産品の待遇および文化多様性条約との関係を中心に-」 (川瀬 剛志) - 13-J-055
「文化的財のデジタル化に伴う文化多様性規制の変容可能性-ボトルネック事業者に対する競争政策規制-」 (東條 吉純) - 13-J-051
「試論:クール・ジャパンと通商政策」 (三原 龍太郎) - 13-J-025
「文化政策と投資保護-公益規制による財産権侵害の投資協定における位置づけ-」 (伊藤 一頼)
RIETIポリシー・ディスカッション・ペーパー
- 13-P-017
「【WTOパネル・上級委員会報告書解説⑧】EC-中国産ファスナーに対する確定アンチダンピング税(WT/DS397)-非市場経済国の企業に対するアンチダンピング税の賦課方法をめぐる諸問題-」 (伊藤 一頼) - 13-P-015
「【WTOパネル・上級委員会報告書解説⑦】中国-原材料の輸出に関する措置(DS394, DS395, DS398)-輸出規制に対する規律に関する解釈の現状と課題-」 (川島 富士雄) - 13-P-014
「【WTOパネル・上級委員会報告書解説⑥】米国-マグロラベリング事件(メキシコ)(DS381)-TBT紛争史における意義-」 (内記 香子) - 13-P-013
「【WTOパネル・上級委員会報告書解説⑤】米国-クローブ入りタバコ規制事件(インドネシア)(DS406)-TBT協定2.1条とGATT3条4項の関係を中心に-」 (内記 香子)