執筆者 |
国松 麻季 (中央大学) |
---|---|
発行日/NO. | 2013年9月 13-J-065 |
研究プロジェクト | 現代国際通商システムの総合的研究 |
ダウンロード/関連リンク |
概要
音響・映像(AV)サービス分野の自由化が進展すれば、国境を越えた文化メディアの流通の促進が期待されるが、AV分野は途上国のみならず一部先進国にとってもセンシティブな分野であることから、外国製品や外資に対する規制を持つ国も多く、自由化が進展していない。
本稿では、サービス貿易自由化交渉において複数の関連分野を束ねて俎上に載せるクラスター・アプローチの有用性を論じたうえで、同アプローチの文化メディア分野への応用可能性を考察する。続いて、わが国文化メディアの重要市場であるインドネシアとマレーシアの規制状況を把握したうえで、クラスター・アプローチを用いた文化メディア分野の自由化交渉の効用を検討する。
今日、コンテンツや文化を産業化し世界展開を狙う「クール・ジャパン戦略」がわが国の成長戦略の重要な一部として位置付けられており、通商政策が同戦略を後押しできる可能性がある。本稿では日本の文化メディアの海外展開に資する当該分野の自由化について論じる。