執筆者 |
関沢 洋一 (上席研究員) /桑原 進 (内閣府経済社会総合研究所) |
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発行日/NO. | 2012年8月 12-J-027 |
研究プロジェクト | 人的資本という観点から見たメンタルヘルスについての研究 |
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概要
人間の感情が意思決定に及ぼす影響についての関心が心理学や脳科学において近年高まっており、抑うつや不安などのネガティブな感情がリスクを高く見積もる方向でリスク評価に影響を及ぼすという研究がいくつか登場している。
本稿では、このような先行研究を踏まえ、大学生を被験者として、抑うつを計測する指標であるCES-D (the Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)の日本語版、及び、不安を計測する指標であるSTAI (State-Trait Anxiety Inventory)の日本語版と、内閣府の消費者態度指数の算出の基礎となる質問項目に同時に回答してもらうことにより、感情と消費者態度の間の相関関係について検証を行った。この結果、ふだんの不安の傾向を示す特性不安と消費者態度指数の間、CES-Dのうちポジティブな感情を示す部分と消費者態度指数の間などに相関関係が見られた。
以上のことから、感情がリスク評価に影響を及ぼすという先行研究の結果が消費者態度に関するリスク評価においても当てはまる可能性が示唆される。