高等学校における理科学習が就業に及ぼす影響-大卒就業者の所得データが示す証左-

執筆者 西村 和雄  (ファカルティフェロー) /平田 純一  (立命館アジア太平洋大学) /八木 匡  (同志社大学) /浦坂 純子  (同志社大学)
発行日/NO. 2012年1月  12-J-001
研究プロジェクト 活力ある日本経済社会の構築のための基礎的研究
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概要

本稿では、大学卒業後の所得を分析することによって、理科学習の内容の変遷が、人的能力の形成と、労働者の労働市場における競争力にいかなる影響を及ぼすかを検証した。また、学習指導要領の変更がもたらした影響を分析するために、適用された学習指導要領別にサンプルを3分割(ゆとり以前、ゆとり世代、新学力観世代)して比較する。分析の結果、若年世代になるほど、換言すれば教科学習の軽減化に伴って、理数系科目の学習にしわ寄せがいき、得意科目ではなくなる(不得意科目になる)という傾向がうかがえた。また、物理学習がどの世代においても所得上昇に寄与することが確認され、稼得能力形成において重要な要因であることが示唆された。