執筆者 |
橋本 尚 (青山学院大学) /松本 祥尚 (関西大学) |
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発行日/NO. | 2011年3月 11-J-015 |
研究プロジェクト | 企業情報開示システムの最適設計 |
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概要
わが国の内部統制報告制度は、平成20年4月1日以後開始する事業年度から導入され、導入3年目に入ったところである。本稿では、まず、わが国内部統制報告制度の実態を分析し、重要な欠陥という用語の使用がもたらした問題点を明らかにする。本制度については、これまでも効率的かつ有効な制度となるように関係者の努力が払われてきたが、現在、重要な欠陥という用語の見直しを含めて、制度の運用の見直しを図ることが検討されているところである。2010年12月に公表された公開草案では、効率化、簡素化へ向けた内部統制基準および実施基準の改訂案が示されている。これにより、制度導入の本来の趣旨を生かすような対応が図られることが期待される。将来の国際財務報告基準(IFRS)の導入を見据えて、内部統制報告制度をいっそう有効かつ効率的なものとしていくために、さらなる検討を図っていくことが肝要であろう。