過剰生産能力への対処のための法政策の考察:造船業を題材に

執筆者 関根 豪政(横浜国立大学)
発行日/NO. 2026年10月  26-J-047
研究プロジェクト 現代国際通商・投資システムの総合的研究(第VII期)
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概要

「造船」もまた国際的に過剰生産能力が問題となっている分野である。第2次トランプ政権下では、中国の海事産業における過剰生産能力や不公正貿易が問題視され、1974年通商法第301条措置が導入されている(ただし、2025年11月に適用一時停止)等の対応がなされている。また、我が国においても、高市政権が造船を「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野の一つとして提示し、その動向が注目されている。しかしながら、世界貿易機関(WTO)をはじめとする伝統的な国際枠組みにおいては、造船分野における過剰生産能力問題に適切には対処しきれないという問題に直面している。米国通商法第301条措置も効果に疑問が残る。そこで本稿では、最近になって採用されるようになっている二国間・複数国間協定における対策を(具体的には、自由貿易協定(FTA)や第2次トランプ政権下で締結されている相互貿易協定(ART)等を中心に)取り上げ、その意義と効果を検討する。加えて、既存の枠組みにはない新しい対応策についても考察を試みる。