我が国企業の中国との経済関係の新たな側面についての調査結果の概要~アウトソーシング、サービス貿易、データ移転、不確実性~

執筆者 冨浦 英一(所長・CRO)/伊藤 萬里(リサーチアソシエイト)/桑波田 浩之(長崎大学)
発行日/NO. 2025年4月  25-J-009
研究プロジェクト 変化するグローバリゼーションと中国への日本企業の対応に関する実証分析
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概要

米中対立の中で中国への依存に懸念が強くなっているが、貿易統計に基づく財の輸出・輸入の比率だけでは、サービス化が進んだ先進国経済の対中経済関係を正確に把握することは難しい。併せて、経済のデジタル化や世界経済の先行き不透明感から、越境データ移転や不確実性の認識についても実態を把握する重要性が高まっている。このため、製造業、卸売業、小売業及び一部のサービス業に属する経済産業省企業活動基本調査対象企業に対し調査を実施した。その結果、中国に製造またはそれ以外の業務をアウトソーシングしている企業、中国にサービスを輸出している企業、中国からサービスを輸入している企業、中国との間でデータを移転している企業の社数に加え、中国の経済政策について企業が認識している不確実性等について情報を収集することができた。今後、本調査結果を企業ミクロデータとリンクさせ、企業特性との関係を計量的に分析していく。