家電製品の省エネ化と価格変動:パネルデータ(1996-2019)による分析

執筆者 小西 葉子 (上席研究員)/齋藤 敬 (経済産業省)/石川 斗志樹 (経済産業省)
発行日/NO. 2020年3月  20-J-018
研究プロジェクト 産業分析のための新指標開発とEBPM分析:サービス業を中心に
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概要

本稿では、1996年1月から2019年10月を対象に、テレビ、エアコン、冷蔵庫、炊飯器、掃除機、洗濯機のPOSデータを用いてヘドニック価格関数の推定を行った。標準的な各製品のスペックをコントロールした上で、省エネ機能の程度、付加機能の有無等が高付加価値化に貢献しているかをPOSデータにより観察した。最も困難な点は約20年間に渡り各製品の標準的な機能を表すスペックを特定し、省エネ変数については基準変更を反映させてパネルデータを構築することであった。実証結果では、長期で販売数量を見ることにより、前回と今回の消費税の影響や高温等の異常気象の影響を観察できた。また家電製品のスペック数の増減とその内容をまとめることで技術変化についても観察できた。ヘドニック推定では、家電の価格モデルの説明力には製品のサイズ(容量)と省エネルギー機能が有効であることが製品間比較でわかった。