執筆者 | 森川 正之 (副所長) |
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発行日/NO. | 2019年8月 19-J-046 |
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概要
日本企業は価格競争ではなく財・サービスの差別化を図るべきとの議論がある。本稿は、独自の企業サーベイに基づき、価格競争/質の競争の実態、質の競争を重視する企業の特性、競争のタイプと収益性・生産性の関係についての事実を提示する。分析結果によれば、第一に、価格競争よりも質の競争を重視する企業の方が多く、サービス産業でその傾向が強い。第二に、質の競争を重視する企業は、従業員の学歴が高く、研究開発をはじめとする無形資産投資が活発で、プロダクト・イノベーション実施確率が高い。第三に、質の競争を重視する企業は価格競争を重視する企業に比べて利益率が高いが、生産性の違いは明瞭でない。
※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:19-E-075