労働時間法制改革の到達点と今後の課題

執筆者 島⽥ 陽⼀ (早稲⽥⼤学)
発行日/NO. 2019年3月  19-J-010
研究プロジェクト 労働市場制度改革
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概要

長時間労働の規制は、現在進められている働き方改革の最重要課題の1つとされている。本稿は、これまでの日本の労働時間法制の問題点を歴史的に明らかにし、今回の働き方改革関連法による労働時間制度改革を踏まえて、今後の労働時間法制の立法課題を提案する。具体的には、①労働者の健康確保のために、勤務間インターバル制度を義務化すること、②年休を長期休暇の制度とするため使用者の時季指定方式に抜本的に変更し労働週単位の連続付与を義務付けること、③労働時間管理と割増賃金制度とを切り離し、労働者の健康の確保を内在化した新しい柔軟な労働時間制度を実現すること、④労働時間等の適正化を実現するために、労使による恒常的なコミュニケーション組織の設置を義務化することなどを提案している。