喫煙・肥満と労働市場成果

執筆者 森川 正之 (副所長)
発行日/NO. 2018年3月  18-J-010
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概要

本稿は、日本における喫煙・肥満と労働市場成果および主観的幸福度の関係について、サーベイ・データに基づく観察事実を提示するものである。その結果によれば、第1に、各種個人特性をコントロールした上で、喫煙者の賃金は男女とも非喫煙者に比べて有意に高い。これは先行研究や社会通念と異なる予想外の結果である。また、喫煙者は非喫煙者に比べて就労率が有意に高い。第2に、男性では肥満の賃金ディスカウントが観察されるが、女性では確認されない。先行研究は女性において肥満賃金ディスカウントが顕著なことを示すものが多く、意外な結果である。第3に、女性の場合、喫煙および肥満は、低い生活満足度・仕事満足度と関係している。

※本稿の英語版ディスカッション・ペーパー:18-E-023