執筆者 |
滝澤 美帆 (東洋大学) /宮川 大介 (日本大学) |
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発行日/NO. | 2015年3月 15-J-009 |
研究プロジェクト | 企業金融・企業行動ダイナミクス研究会 |
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概要
本稿は、本邦未上場企業に対して複数のベンチャーキャピタルが共同投資を行う際のメンバー構成について分析したものである。具体的には、各投資ラウンドで最大の投資を行ったベンチャーキャピタル(リードVC)の属性とリードVC以外のベンチャーキャピタル(メンバーVC)の属性との間の相関およびその経済的な含意について、詳細な投資ラウンド明細データを用いて実証的に分析した。得られた推定結果は以下の通りである。第1に、初回投資ラウンドにおいてリードVCとメンバーVCとの間の経験や規模に関するassortativityは確認されない。第2に、2回目の投資ラウンド以降はVC間の資本金規模に関するpositive assortativityが強まる傾向にある。第3に、これらの結果の一方で、異なる資本金規模のリードVCとメンバーVCが共同投資を行っているケースでは新規株式公開(IPO)が早期に実現される確率が高い。以上の結果は、規模の面で異質なVCが協働して投資を行うことの意義を示唆している。