執筆者 |
森田 玉雪 (山梨県立大学) /馬奈木 俊介 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2013年9月 13-J-066 |
研究プロジェクト | 大震災後の環境・エネルギー・資源戦略に関わる経済分析 |
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概要
2011年の東日本大震災が東京電力福島第一原子力発電所の爆発を引き起こし、電力供給への不安を生ぜしめことから、家庭用エネルギー需要が量的にも質的にも変化した。クリーンエネルギーの担い手として推進されてきた原子力発電が国民の支持を得られなくなり、代替的に自然エネルギーへの関心が強まったのである。
本論文では、ウェブ調査を通じて東日本大震災前後の消費者の節電行動およびエネルギー選好の変化を明らかにし、今後の家庭用エネルギーに対する政策の在り方を提言する。
調査では複数の手法により求めた電源別の電力への支払意思額(WTP)を用いて、政府が提示する今後のエネルギー・ミックスのシナリオへの国民の金銭的評価も計量した。そこから、平均的にみれば、再生エネルギーの比率を高める政策に対して人々は最大6%強の電気代の上昇を受け入れる余地があることが判明した。政府は、このような電源別エネルギー・ミックスに係る消費者の需要も考慮して、エネルギー転換を進める必要がある。