中小製造業経営者にみる協働組織の形成と協働関係を構築する能力に関する研究

執筆者 稲垣 京輔  (法政大学)
発行日/NO. 2013年3月  13-J-021
研究プロジェクト 優れた中小企業(Excellent SMEs)の経営戦略と外部環境との相互作用に関する研究
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概要

本論文では、中小製造業の経営者が、どのような協働組織を形成し、中小企業間の協働関係を構築する能力を如何に獲得してきたかについて、3人の経営者の行為実践の記述を通じて明らかにする。とりわけ、協働関係を構築する上での組織化の過程に着目し、1つは協働コミュニティの形成、もう1つは協働コミュニティ上においてサブ組織としてのプロジェクト・チームの形成に着目する。

経営者の行動に関する記述を通じて、まず、協働コミュニティは、管理組織型、価値共有・相互学習型、新事業創造型に分類された。その上で、それらの協働コミュニティの形成段階におけるメンバーの動員や制度化、そしてプロジェクト・チームを組織し運営するコーディネーションの役割について触れ、経営者がどのようにこれらの協働組織を創設しマネジメントできる能力を獲得したかについて論じる。